この怒りをどこへ

朝から頭にきている。
原因は朝日新聞原発に関するインタビュー記事。
東電の元副社長で元参議院議員、今は東電の顧問をしているという加納時男というオッサンの話だ。



冒頭から「地本の強い要望で原発ができ、地域の雇用や所得が上がった」などとぬかす。
まるで、パンパンを連れた進駐軍が群がる子供にチョコレートをあげている、と言わんばかりだ。
もちろん、「ギブミー・チョコレート」の側にも問題があることは重々承知である。
原発を誘致することによって、多額の補助金がもたらされ、それによって様々なハコモノを作ってきた自治体も多い。
しかし、自己の責任を負うべき側の人間が、この時期にこのような発言をすること自体、信じがたいものがある。



さらに「脱原発」を主張する自民党河野太郎氏に対して
反原発の政党で活躍すればいい。社民党に推薦しますよ。福島瑞穂党首は私の大学の後輩だから」。
冗談にもならない。



原子力損害賠償法には『損害が異常に巨大な天災地変によって生じたときはこの限りではない』という免責事項もある。今回の災害が当たらないとすると、一体何があたるのか。全部免責しろとは言わないが、具体的な負担を考えて欲しい」だと。
端っから、事故が起こっても保証する気などないのである。
自分たちが儲かって安泰なら、それでいいのである。



極めつけは、
「低線量の放射線は『むしろ健康にいい』と主張している研究者もいる。私の同僚も低線量の放射線治療で病気が治った」。
バカも休み休み言ってもらいたいもんだ。
原発事故と放射線治療を一緒くたに論じるなんて…。
科学も論理もヘッタクレもない。



こんな程度の頭の人間が、極めて公共性の高い大企業のトップ(副社長)だったのである。
こんな程度の倫理観の人間が、政治の中枢(参議院議員)だったのである。



福島第一原発では、原子炉建屋内に人間が入って作業を始めたそうだ。
その作業はぜひこの加納氏におまかせしたい。
適量の!? 放射線を浴びて、老後を健康に過ごしていただきたい。