飯豊山、恐るべし

14日の夕方、菅平を出発して飯豊山に向かった。
ツアーは17日〜20日、その前に下見に登る。
喜多方の道の駅で仮眠。
4時前に起きて登山口に向かう。
ところが、ツアーで登る予定の登山口へ向かう道路が閉鎖されていた。
仕方なく、御沢のキャンプ場へ。
これだけで約1時間余分にかかる。


とにかく暑い。
大汗をかいて、峰秀水という水場に到着。
岩から染み出してくる水が冷たくて美味い。
持ってきた水を全部捨てて、総入れ替え。


剣ヶ峰の岩場を越え、4時間あまりかかって三国岳避難小屋へ。
ヒメサユリが咲いている。
東北の山に多い花だ。
ニッコウキスゲとともに大きな花なので、よく目立つ。


さらに2時間歩いて、切合小屋到着。
ツアーではここに2泊する。


またさらに2時間かかって、ようやく本山小屋。
かなりヘトヘトで、もうここで泊まってしまおうかと、一瞬悩む。
が、小屋のおじさんがおっかなそうだったので(実際はかなり人なつっこい、いい人でした)、もうひとがんばりして先に進むことにした。


飯豊本山に向かう途中にはイイデリンドウ。
写真ではちょっと色が薄いが、実際はもっと濃い紫色だ。


4時過ぎにようやく御西小屋到着。
11時間、ほとんど歩きっ放しで、水場で汲んだ2.5リットルの水もほとんど飲み干していた。
疲れ切っていたが、水がなければどうしようもないので、雪渓のほうに下って、水を汲みに行く。
ここの水は、水温3℃。
手がしびれてくるほど冷たい。
タオルを浸して全身を拭いた。


アルファ米の夕食を済ませた後、夕焼けを見に外に出た。
明日登る、飯豊連邦の最高峰、大日岳。
いいカタチをした山だ。


ミヤマキンポウゲの向こうに烏帽子岳と北股岳。


同じく、烏帽子岳と北股岳。



16日は4:20出発。
大日岳へ登るが、ガスッていて視界はない。
ただ、ハクサンコザクラチングルマハクサンイチゲイワイチョウ…、お花はとてもきれいだった。


御西小屋へ戻って、帰り道は6:50出発。
快適な稜線歩きは飯豊本山まで。
下りとはいえ、アップダウンの連続でけっしてラクではない。
飯豊本山8:40、切合小屋10:40。
途中、草履塚付近から見た本山。
雪の残っているところは「御鏡雪」と呼ばれている。
標高2000mそこそこの山で南斜面にも関わらず、この時期にこれだけの残雪があることに驚かされる。
厳冬期には40mを越える積雪があるらしい。


三国小屋へ12:40。
ここまでですでに8時間以上歩いている。
13:50に水場に着いたときには、水がほとんどなくなっていた。
16:20頃、登山口のキャンプ場にフラフラになって到着。
12時間はさすがにキツイ。


16日の夜は喜多方のビジネスホテルに宿泊。
喜多方といえばラーメンしか思い浮かばなかったので、夕食は喜多方ラーメン
ただし、ほとんど水で満たされた胃の中に大量のチャーシューの油はきつかった。
とても美味しいとは思えず、明日の昼飯は蕎麦に決定。


17日の午後に飯豊の湯という日帰り温泉でツアーのお客さんと合流。
18日は前の2日間にも増して暑く、最初の急登はこたえた。
それでも予定通り、切合小屋に到着。
写真は朝日連峰
右から2番目のピークの左奥にうっすらと見える(縮小写真では見えないか?)のが月山。


19日、4時出発。
順調に歩き出すが、本山手前の御前坂あたりで風が強くなる。
それでも飯豊本山には全員で登頂。


御西小屋を目指して歩き始めるが、風の吹き抜ける場所では立ってるのもツライほどになり、大日岳を断念して引き返すことにした。
お昼前には切合小屋に戻った。
時間が空いてしまったので、小屋の管理人の長谷川さんに飯豊のお話を聞いた。

昔々は、この飯豊山の所有権を福島、山形、新潟で争ったらしい。
切合小屋の「切合」は、まさに斬り合いだったようだが、あまりにも血なまぐさいので「きりあわせ」と読むようにしたらしい。


最終日はまた暑い日だった。
ハイライトの2日目だけが悪天候で残念なツアーになった。
飯豊山は深く、長く、辛かったけど、雪と緑のコントラストがとても美しい山だった。