「前進か、後退か。」
「この道を。力強く、前へ。」
山で遭難しかかってるときに、こんなことを言うガイドに当たったならば、
これはもう、かなり残念な、お知らせである。
己の不運を怨みつつ、生還は神頼みになる。
ポスターには「経済で、結果を出す。」って書いてあるけど、
結果はもう出てるよね。
いくら都合のいい数字を並べたてても、
失業率は民主党時代から一定に減り続けてるだけだし、
特に地方では、高齢化と労働人口の流出で求職者が減ってるだけだし、
正規雇用が減って非正規ばかり増えて、
求人倍率が高いのは土木建築のガテン系だけで事務系はヒサンでミスマッチだし、
税収増とは言っても、所詮リーマンショック&震災で最低だったときとの比較で、
消費増税分を除けばほとんど増えてないし、
3年連続賃上げなんて、実質賃金は5年も続けて下がってるままだし、
外国人旅行者は過去最高でも、日本人は海外どころか国内旅行さえ行けない。
だいたい、あれだけバズーカ撃って先進国にあるまじき官制相場で円安誘導して、
一時的に上がった株価を維持するために年金をさんざん突っ込んで買い支えても、
景気は一向によくならず、
インフレ目標2%なんて、先送り先送りでいつになったら達成できるのか。
「道半ば」なんていつまでも言い続けてればいいのだったら、
何十年か待ってればそのうちにインフレの時代になるかもしれないけど。
だいたい、インフレ誘導するなんて、出発点が間違ってたんじゃないの?
そこまで(大企業の)成長が大切なの?
アベノミクスが始まったときから言い続けてるけど、少なくとも私は、デフレのほうが全然暮らしやすかったし、円高のほうが海外スキーにだって行けた。
トリクルダウンなんて起こるはずは無いことは、2014シーズンのパンフレットで指摘したとおりだ(「変動相場制!? の継続について」参照)。
登山口が間違ってたんだから、無事登頂できるはずもない。
こりゃ、今の日本経済は、間違いなく「遭難」だわな。
太平洋戦争を忘れたわけではあるまい(って、もちろん直接知るわけもないけど)。
いつまでも大本営発表にダマされてると、
「一億総活躍」どころか「一億総玉砕」に向かって突き進むだけだ。
もう少しまともな人たちが率いてくれるなら、
右折や左折といった選択肢もあっただろうけど、
自分が「行政府の長」なのか「立法府の長」なのか、わからない人が総理大臣やってるんだぞ。
もはや
「後退か、交代か」
しか選択肢はない。