痛い!けど…

麻酔は腰のほうから醒めてくるらしい。
ずっと同じ姿勢だったので、我慢できないぐらい腰が痛い。
かといって、足は自由にならないので、態勢を変えることもできない。
ようやく足が動くようになってきたら、今度は傷口が痛みだした。
手元に時計がないので、今何時なのか、あとどれだけ我慢すればいいのか…。
座薬を入れてもらって、ようやくウトウトした。


ストレッチャーに乗せられて入っいった手術室は、ERで見たそれほどかっこよくはなかった。
天井に例のまるい大きなライトはついているものの、給食の調理室か食品工場って感じ。
入るなり執刀医の先生が
「音楽はなににしますか?」「井上陽水でいいですか?」私はなんでもよかった。
どちらかと言うと、先生がリラックスして作業しやすければそれに越したことはない。


いよいよ麻酔。
腰に注射するのはもっと痛いかと思ったけど、大したことはなかった。
麻酔が効いてくると、足湯に浸かったように足先から温かくなってきて、やがて電気で痺れたようになる。その後の気持ちいいこと、ったらない。
筋肉がホントに緩みきってしまう感じだ。
スキーのあとのストレッチで、こんなふうになれば、疲れなんてまったく残らないのに。


俯いて寝ているので、手術の間はなにをされているのかまったくわからない。
陽水ベストが1周とちょっとしたので、1時間半ぐらいだったのだろう。
手術は無事終了した。
話には聞いていたけれど、あまりに呆気ないものだった。