食わず嫌い

旬のもの(例えば、山菜とかキノコとか魚とかなんでも)をいくら美味しいと言われても、端っから受け付けない人がいる。
「人生の半分損してる」なんて言われても、キライなものはキライなんで、仕方ないだろう。


山スキーもそう。
パウダーとかオフピステとか、まったく興味のない人に、いくら山スキーの魅力を語ってもムダなことだ。
スキーは整備されたバーンでやるもの、リフトに乗ってやるものと思ってる人は、−私なんかはそれでは「スキー人生の半分どころか大部分ソンしてる」と思うのだが− ま、それはそれで仕方がない。


が、少しでも興味があって、でも、スキー技術とか体力とかが心配で尻込みしているのなら、今スグ始めるべきだ。


技術について。
山の滑りは山で慣れないと仕方がない。

どんなにゲレンデで練習したって、それをそのまま山で活かせるようになるには、かなりのレベルまで突き詰めなければならない。
まあ、そこそこ一流のスキー指導者ぐらいの技術が必要だろう。
そんな人たちだって、ある程度の慣れは必要だと思う。
一般スキーヤーがそこまでなるには、他の人生をかなり犠牲にしなきゃならないだろう。
ほとんどの場合は、そこまで行き着く前にスキーをやめてしまうと思う。
「ハ」の字でやっと曲がれるだけの人が行っても楽しめないかもしれないが、ゲレンデスキーと山スキーは、並行してやっていくのが合理的だ。


体力に関して。
あればあったに越したことはない。
が、普通に日常生活をしている人ならば、ましてやスキーだの他のスポーツをやってる人ならば問題ないと思う。
速くは歩けないかもしれない。
が、時間さえかければ誰でも登れる。

私に言わせれば、東京で満員電車に1時間も立ってたり、乗り換えで散々歩くほうがよっぽど大変だ。
山に登って「疲れない」とは言わない。
私だって疲れる。
筋肉痛にもなるだろう。
でも、たったそんだけのことがイヤなら、スポーツなんてやらないほうがいい。


人に迷惑をかけるから、という人もいる。
が、それはその人の傲りに過ぎない。
歩くのが遅くて人を待たせたとしても、待ってる人は案外「休めてラッキー」と思ってるかもしれない。


技術や体力が十分、なんて誰が言えるだろうか。
とにかく今スグ、チャレンジしてみるべきだ。
トシは待ってくれない。
躊躇してる間に、どんどん歳を重ねていくだけだ。


当たりはずれはある。
天気や雪質がいつもいいとは限らない。
でも、当たりを引けば、こんなロケーションで滑れるんだ。


転んだって、こんな笑顔でいられるんだ。