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本当にコワイのは誰だ?


ホルムズ海峡に機雷がばらまかれる可能性が低くなったら、やおらクローズアップされてきたのが中国の脅威。
今、安保法制を通さないと、尖閣諸島が中国に取られてしまう、と危機感を煽る人もいる。

確かに、中国の傍若無人の振る舞いは目に余る。
沖縄の漁民の方々は安心して漁もできない状態なのかも知れない。

問題の尖閣諸島は、総面積は約6.3平方km、最大の魚釣島でも約3.6平方kmある。
現在は人の住んでいる島はない。


一方、福島の原発事故による帰還困難区域は、原発周辺の7つの市町村に広がり、面積は合わせておよそ337平方km。名古屋市とほぼ同じ広さだという。
その地域に暮らしていた人は、およそ9100世帯、24500人。


中国の軍事力の台頭で尖閣諸島を乗っ取られる前に、日本人自身の手によってその50倍もの国土を占領されている、ということだ。
これは、けっして地震津波といった自然災害によるものではない。津波によってより深刻な被害を受けた地域でも、本当に少しずつではあるが、復興は進んでいる。多くの人が故郷に戻ってこられたけど、福島は違う。


安倍総理は何でもかんでも民主党政権に責任を押し付ける。
確かに事故が起こったのは菅内閣のときである。
が、実は安倍総理本人に、より大きな責任があった。

第一次安倍政権時代の2006年、国会で原発の冷却用の全電源喪失によるメルトダウンの可能性について指摘されていたにも関わらず、「御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである」と答弁して、つまり「なに、寝ボケたこと言ってんだ」ぐらいの態度で、トーゼンなんの対策も取らなかった。
もし、あの時点で真摯に耳を傾けていたなら、337平方kmもの国土を放射能に占領されることはなかったかも知れない(もちろん、対策を講じていても事故は防ぎきれなかったかも知れないけど)。


ただし、この件から分かることは、安倍総理がいかに自信満々に「国民の命、安全を守るのは政府の責任。その最高責任者は私」などとぶち上げても、そんなもんはまったく信用できない、ってことですね。
もし責任を少しでも感じているのなら、イケシャアシャアとまた復帰するなんてあり得ないでしょう。


今回の原発再稼働にしても「世界一厳しい安全基準」をクリアというレッテル貼り(あ、違いました? 安倍さんの立場から言えば「言論の自由」でしたっけ!?)で、押し通してしまったけど、ホンネは自分の在任期間中に川内原発が事故を起こす確率なんて宝クジ以下だ、ぐらいにタカをくくっているに違いない(2006年の国会答弁もきっとそうだったのに、運悪く起こってしまったんだよね)。


「木を見て森を見ず」って言う総理だから、わずか6.3平方km、それも取られると決まったわけでもない尖閣諸島に大騒ぎして、337平方kmの福島に目をつぶるわけにはいかないでしょ。

若者が血を流して守らなきゃならないようなら、無人島の一つや二つ、くれてやったって惜しくはない、ぐらいのこと言ったらどう?


与謝野晶子大日本帝国憲法の下でも、こう言い切っている。
「旅順の城はほろぶとも ほろびずとても何事ぞ」。


ま、中国が攻めてくる可能性と再稼働した原発が事故を起こす可能性、どちらが高いんだろうね。


外敵の脅威を煽り、国内の問題から目を逸らさせるというやり口は、一党独裁中国共産党となんら変わりはない。


本当にコワイのは、中国か北朝鮮か、はたまた米国か、それともそれとも、安倍晋三のような人物が総理大臣でいることなのか、今一度よーく考えてみよう。