ちょっと待て!

もう110時間以上も審議したから、とっとと採決をするらしい。
官房長官は、合憲と言ってる憲法学者の名前を3人しか上げられなかったときは「数じゃない」と言っていたのに、審議を尽くしたかどうかは時間で決めるの?
だいたい、私の経験上(あくまで)「毎日○○時間も勉強してます」というヤツに限って勉強はできなかった。

ま、百歩譲って時間の問題にするにしても、戦争法案は11もあるわけだから、1本当たりにすれば10時間しかやってないじゃん。


今朝の朝日新聞の一面。
世論調査では、安全保障関連法案に 「賛成」26% 「反対」56%。

まあ、ネット等で盛んに右寄りの発言をしてる人に言わせると、朝日新聞は左翼的で偏向報道がヒドイらしいので、話半分としておこうと思ってたら、他社の世論調査の結果も載っていた。
実施時期や質問の仕方は各社で異なるが、結果は下記の通り。

日経・テレ東  「賛成」25% 「反対」57%
産経・FNN  法案成立が「必要」49% 「必要ない」43.8%
読売      「賛成」36% 「反対」50%
毎日      「賛成」29% 「反対」58%
NHK     安保法制の整備を進める安倍内閣を
        「大いに・ある程度 評価する」32%
        「まったく・あまり評価しない」61%

これを見ると、さすが自民党政権御用新聞の産経だけが「日本の安全と平和を維持するために、安保関連法案の成立は必要だと思うか」という質問の仕方で、賛成多数(それでも差は5.2%しかないが)になっている。

注目すべきは読売新聞。
「安全保障関連法案は、日本の平和と安全を確保し、国際社会への貢献を強化するために、自衛隊の活動を拡大するものです。こうした法律の整備に、賛成ですか、反対ですか」と、質問の仕方でなんとか賛成に導こうと涙ぐましい努力をしているにも関わらず、反対のほうが多くなってしまっている。

 

安倍首相は、法案成立を焦るあまり、論理の破綻がどんどんエスカレートしてきている。

「国民の命を守り、国を守る責任はまさに政治家にあり、『憲法学者が反対しているから私も反対だ』という政治家は、責任を憲法学者に丸投げしている」

人の(しかも背の道の専門家の)意見に耳を傾けることは、責任の丸投げになるらしい。


国際法学者の方々は、法案に賛成の人たちのほうが多いのではないか」

どれほど多くの国際法学者が法案に賛成しているのか、調べようとしたけれど、簡単にはわからなかった。
ま、調べた結果、賛成多数なら鬼の首を取ったように言うだろうし、少なければ「数の問題じゃないと思いますよ」と言えばいいだけだから、調べても意味ないか。
憲法学者は国民の命や国を守らないけど、国際法学者は守ってくれるらしい。

だいたい、憲法学者はこの法案に賛成反対以前に、法案は憲法に違反している、と言ってるのであって、日本国憲法の下では、そんな法案を成立させることなどできないのである。

 

国民の過半数が(控えめに言っても今国会で成立させることに)反対している法案を、なぜそんなに急いで採決する必要があるの?
誰も、国民の意思に反した「決められる政治」なんか望んでないですよ。