悪童

スーパースターと呼ばれる人たちは、やはり決定的な仕事をするもんだ。
ロスタイムのゴールで決勝トーナメント進出を決めたメッシしかり、同じく必殺のクロスで1次リーグ敗退の危機からチームを救ったクリスティアーノ・ロナウドしかり…。


しかし、私的にナンバーワンはウルグアイの悪童スアレス
こいつ、以前からタダモノじゃない、と思ってた。
相手に殴りかかるわ噛みつくわ、人種差別発言もへーき。
前回のワールドカップでは、間違いなく入ってるボールを手で叩きだして一発退場になったクセに、相手のPKがはずれるとガッツポーズ。
プレミアリーグ得点王なのに「リーグでもっとも嫌われてる選手」に選ばれるし。



その因縁のイングランド相手にほとんど一人で勝ってしまった。
5月にヒザの手術したばかりだというのに、復帰するなりこの活躍。
先制点はカヴァーニから、決勝点はGKからのパス一本で、苦もなく得点を決めた。



カヴァーニを除く9人(フォルランが出てれば一応8人だと思うけど)、お前らデフェンスだけしてればいいんだ、ゴールを守って球を奪ったらあとはオレがなんとかしてやる、って言ってんじゃないか、と思う。
だいたい、ヒザの手術自体ウソなんじゃないか、と思えてしまう。



こんな悪童は日本にはいない。
昔の大久保はちょっと悪ガキっぽかったけど、やっぱりスケールが小さいよね。
ジャンルこそ違え、阪神の江夏ぐらいのもんか。
延長11回をノーヒットノーランに抑えて自らサヨナラホームランを打ち「野球は一人でもできる」って、言ったとか言わないとか…。


政治家ならいっぱいいるのに、ね。
まず、サポーターには、都議会議員の誰だかわからないあの人。
ブラジルワールドカップに連れてってやる、と言ったら名乗り出てくるんじゃないの。
コロンビアの大統領が、都知事のように思わず笑ってしまうようなヤジをお願い。


トップ下は本田に代えて石原伸晃でしょ。
「最後は金目」で、相手のセンターバックのほっぺたを札束でひっぱたきながらスルーパスを出せる。


ワントップには安倍晋三しかいない。
大企業と金持ちさえ儲かれば、一般庶民なんてどうなってもかまわない、という冷徹な経済政策の数々。
(あまり誰も話題にしなくなったけど)外国に武器を売りつけられるようにした挙げ句に、国民を守るためなんて言いながら自衛官の命を危険にさらし、その上相手国の人を殺してしまう可能性だってある集団的自衛権とやらを、憲法をねじ曲げてでも押し通そうとする非道。


あ、こいつは悪童じゃなくて悪党だからダメか。