まさか、の

今回ばかりは雨を覚悟していた。
3日間のうち1日滑れればいい、ぐらいの気持ちで立山に向かった。


初日、強風とガス。
が、室堂山荘でお昼を食べているうちに風は止み、視界が開けてきた。
雄山の前面で足慣らしをしようと向かったが、どんどん晴れ間が広がってくるので、ついつい山埼カールまで足を伸ばす。

山埼カールは、昨年と違って山頂までびっしり雪が付いている。
ローソク岩の下までの予定で登り始めたけど、登りやすい雪質だったので、またまたついつい欲をかいて、尾根の上まで乗り上げてしまった。

が、さすがに欲張りすぎたのか、シールをはずしている間に雨が降ってきた。
それでも山埼カール1本分を十分に楽しめた。



2日目は朝まで雨。
が、7時過ぎには上がったので予定通り大走りを登って内蔵助カールへ。
6月はいつもここ、と決めている。
いつ滑っても雪質にハズレがない。
2時間ほどの登りで到着。
日曜日にも関わらず、誰にも会わない。
完全に自分たちだけの世界。

いつもの通り、富士の折立側からドロップイン。
やっぱり最高の1本が待っていた。

あまりに気持ちよかったので、ツボ足で登り返してもう1本。
見上げると真夏のような真っ青な空が広がっていた。

その後、大走りの沢(昨年の11月に大きな雪崩があったところ)を滑って本日終了。
今日も1本1本の満足感が高い。


3時前には風呂に浸かって窓を開け放し、雄山を眺めていた。
CMHのジャグジーより眺めは贅沢だ。



3日目も晴れ。
午後から雨予報だけど、しばらくは大丈夫そうだ。
雄山に登り御山谷側に滑り降りて、浄土山に登り返し、浄土の正面を滑って帰ってくる、という予定で出発。
一ノ越からはスキーを担いで夏道を登る。
この時期はもう凍っていないので、私はスニーカーに履き替えて登った。
御山谷側からイヤなガスが上がってきた。
ライチョウを眺めながらガスが晴れるのを待ってドロップイン。


南斜面ながらなかなかの雪質、そして圧倒的な長さ。
数年ぶりに滑ったけど、ここもやっぱりいい斜面だ。


滑り終わってシールをつけていると、今度は本格的なガスに覆われて真っ白に。
浄土へ登り返すのをやめて本日終了。
さっさとアルペンルートを下って「わっぱら家」さんでお蕎麦。
「上原の湯」に浸かっていると大雨に。


あの天気予報の中、まさか、まさかで、3日間滑れてしまった。
これで、今シーズンの立山はお終い。
11月、いい雪を期待してます。