オールブラックス

ラグビーのNZ代表オールブラックスが来日しテストマッチが行われた。
結果は54-6。
大敗ではあるが、これまでの対オールブラックス戦では、最小の点差だそうだ。
確かに、世界一のチームを相手に、試合内容も善戦と言える。
その昔、私がまだ学生の頃、花園へフランス代表との試合を見に行ったときには、日本のフォワードが相手のバックスにさえ、ハンドオフではね飛ばされてトライを奪われていた。


凄みがあって鳥肌が立ったのは、最後の数分間の攻防。
日本が初トライまであと数メートルに迫り、それをオールブラックスが何度も何度もはね返した。
ラストプレーでは、インゴールに飛び込もうとした日本の選手を、寸前でタッチへ押し出すもの凄いタックル。
時間はとうに80分をまわっており、勝負は完全についている。
あそこまでがんばらなくても、トライをさせてしまえばそれでノーサイドだったのに。


でも、これがラグビーなんだな。
世界一のチームとはいっても、バスケットのNBAのスターのようにいつでも華麗なプレーを見せるわけではない。
一見泥臭く、黙々と相手にぶつかっていくだけ。
勝負は決していても、最後の最後まで相手をやっつける。
スポーツという戦いの原点を見た気がした。


夜になって、日本シリーズ
不敗のマー君が打たれた。
でも、彼は最後まで投げ続け完投した。
日本シリーズの勝ち負けだけを考えれば、2-4になった時点でマウンドを降りた方がよかったかもしれない。
そうすれば、第7戦で勝っていれば、9回1イニングだって、あるいは最後の打者一人に対してだって投げられたろう。


160球!!


最近のプロ野球では考えられない球数だ。
まるで、甲子園の決勝戦を見ているようだった。


投げたマー君、投げさせた星野監督
合理的じゃないかもしれないけど、そういう野球が好きだ。
キャッチャー嶋の談話「中5日で160球も投げた投手に文句を言う人はいない。彼一人に背負わせちゃいけない。明日勝てば、救われる」を新聞で読んで、ちょっと泣いた。