SIAフェスティバル

青森から青函フェリーで北海道へ。
今年のSIAフェスティバルはキロロで開かれている。
学校長研修会に義務参加しなければならないのだが、レーシングやバックカントリーテレマークなどの講習会も選択できる。
普段やらないようなものを経験したほうがいいと思い、今年はイタリアチームのレーシングセミナーに参加することにした。


講師は元ワールドカップレーサーのマニュエル氏。
通訳は安比の児玉さんだった。

児玉さんはイタリア語まで話せるのかと感心したが、聞いているとどうやらドイツ語で会話している。
チロル地方は、元々オーストリア領だったようで、この辺りの人たちはドイツ語も普通に話せるのだそうだ。


初日はポールを張らずにフリースキーで最新のレーステクニックを教わった。


マニュエル氏が強調していたのは、脚の緊張感をなくさないこと。
脚を突っ張るようなところはもちろん、曲げられるような局面でも自分から抜かないことだ。
まったくその通りだと思う。


次に内頃角を早く作る。
上体大きく傾けるのではなく、肩のラインはなるべく水平に保ったまま、脚を傾ける。


そして早く内頃角を戻し、ターンから抜けること。
私はフリーでもポールの中でも、この点を何度もアドバイスされた。
自分ではそのようにやろうとしているのだが、どうしても山まわりを引っ張ってしまうらしい。



イタリアの新しい教程では、基礎的な滑りと競技的な滑りに分かれている。
基礎的な滑りが「ズレの多い」滑りなどではなく、上級ではシャープそのものだ。
が、基礎的な滑りは一定のリズムとスピードをキープするのに対し、競技的な滑りではどんどん加速していくことを目的としている。
この分類の仕方はとてもスッキリしている。
私の滑りは一定のスピードをキープするために、どうしても山まわりを引っ張ってしまうようだ。


2日目は雨模様の中、1日中ポール練習。
1本目気負いこんで突っ込んでいったら、「ポールを意識しすぎず、ただの通過点と思え」と言われた。
マニュエル氏は一人一人に対し、1本1本丁寧にアドバイスしてくれる。
とてもイタリア人とは思えない真面目さだ。
このあたりも南チロルの地域性なのだろうか。


午前中4本、いろんなアドバイスをもらいながら滑った。
そして、午後2本。
最後にもらったアドバイスは「ポールを意識しすぎず、ただの通過点と思え」。
あれ? 元に戻っちゃった!?


最終日の朝には、かなり腰にきた。
ホテルの部屋の洗面台で顔を洗えない。
タイツやソックスを履けない。
あと半日大丈夫だろうかと思いながら、天気もいいしこんな機会はそうそうないのでがんばった(最後の1本だけはさすがにパスしたけど…)。


今日もらったアドバイスは「真上から踏みすぎている。山側に滑走面を見せるぐらい内頃角を深くしろ」というもの。
フリーではともかく、ゆとりのないポールの中ではなかなか難しい。


なんとか腰がつぶれずに最後までもった。
今回はとてもいい勉強になったし、他の参加者の校長先生や若手のバリバリの連中も刺激になった。
最後にマニュエル氏の滑りを動画で(デジカメの動画なのでズームが効いてないけど)。