ちょっとだけえこひいき

修学旅行やスキー教室など、団体指導をやっていると、どうしてもメゲる子が出てくる。
みんなについていけなかったり、上手くできないことにいらだったり、まわりの子の視線が気になったり…。
早い遅いはあれ、2日間もやれば、みんなそれなりに滑れるようになるのだけれど、途中で出てこなくなる子もいる。
特に高校生ぐらいになると、頭が痛いだの、お腹が痛いだの、高所恐怖症だの、いろいろと理由を付けて休んでしまう。



そんなとき、なんとかだまくらかしてスキーに連れ出す。
他の子とは一緒にできないので、その子達だけをピックアップする。
高所恐怖症だと言う子の大部分は、滑るのに自信がないからで、滑ってこられるとわかったらヘーキでリフトにも乗るようになる。
幸いオオマツやダボスなら、車でリフトの上まで連れて行ける。
クワッドリフト乗り場の下まで連れていき、第6ゲレンデを滑って、また自分は車を取りにリフトで戻る。
手間はかかるが、こういう事を何度かやってれば、滑ることが面白くなって、リフトにも乗れるようになってしまう。
滑ることばかりを強制しないで、時には途中で車を止めて、畑に積もった雪の中に飛び込ませ、人型を作ってみた。

上手になれる子は、放っておいても、どんどん滑りたがる。
こんな子達こそ、少しだけえこひいきして手をかけてやる必要がある。