生還

地元のガイドいわく「今シーズン最高のパウダー」がやってきた。
その軽さ、その深さ。
まったく底づき(スキーやボードがパウダーの下の固い雪面につくこと)しない。
今日の積雪自体は15cm程度だと思うが、いい雪が毎日降り続いているため、この最高の状態になったのだろう。


1本目はいつものようにAコース横のボウルへ。
ボウルとその下のツリーを気持ちよく滑る。
2本目はBコースへ滑り降りる斜面とロープウェイ下のツリー。
そして3本目は三角岩の下と沢へ降りるコースを滑った。
写真は3本目。

これほどのシーンは転倒直前の場合も多いが、ご本人の名誉のために連続で紹介。





これからは「バード蔦江」改め、「サブマリン蔦江」と呼ぼう。


このあとO堀さんの身に最大の不幸が訪れた。

N浦さん、ご自分でも納得の滑り。

最高のスピードで私の前を駆け抜けたA宮さん。
今日のベストショットかも!?
まるでプロスキーヤーのよう。
「ヤマキックス」の向こうを張って「アメミックス」と呼ぼうか。
でも、ちょっと飴ちゃんの商品名のようだ。


O堀さん救出に向かう!? akemi丼。
これもいいショットかも!?

最高の瞬間が最悪のタイミングで訪れてしまった赤オニさん。
この後はぼろぼろ!?


しか〜し、この日のハイライト!? は午後だった。
満を持して盤の沢へ向かう。
山頂駅付近はまったく視界がないが、わずかな踏み跡をたどりながら進んだ。
これが第一のミス。


シールをはずす頃には完全にホワイトアウト
いつも回りこむ岩山がどこにあるのかわからない。
変な場所に雪庇が見えたのでコースを変えたが、どうやらやっぱりいつもの場所とは違う。
ここで退却を決断。

が、歩いてきた後に戻らず、少しでも早くコースに出ようとしたのが、第2のミス。
下手に下に滑って崖に出てしまったら困ると思い、トラバースを続ける。
行けども行けども、視界はないまま。


かなりくたびれてきた頃に、何かが見えた。
スキーを脱いで確かめに登ると、それは石室(非難小屋)だった。
ようやく現在地がわかった。
が、それに安心してしまって、石室のところにあるであろう登山用のコース案内板まで確かめに行かなかったのが、第3のミス。


結局、1時間半ぐらい歩き回って、Aコースまで戻ってきた。
無事でよかった!!
が、もうパウダーを滑るパワーも気力も残っていない。
旭岳で初めてAコースを上から下まで滑って帰った。


最高のパウダーの日にひたすら歩き続けたため、いい雪を滑ったのが遠い昔のように思えた。
冒頭に書いた、午前中滑った3本のコースを思い出すのにかなりの時間がかかった。


皆さん、お疲れ様でした。
本当にごめんなさい。