事件

それは昨夜、もう夜中の11時を過ぎていた。
普段ならとうに寝ている時間だが、このところ少し夜更かしだ。
1階から妻の悲鳴が聞こえた。
菅平に住んでもう10年以上。
妻もちょっとやそっとのことでは驚かなくなっているはず。
カメムシぐらいでは、悲鳴なんか上げない。
なんか、出たか?
もしかして、


キツネかタヌキかM浦さん!?


懐かしいフレーズだ。
って、そんなこと言ってる場合か!


とにかく、階段を下りる。
と、とてつもなく灯油臭い。
玄関とその前の廊下が灯油の海になっていた。
風呂から上がった妻は、灯油でツルツルになった廊下で滑ったらしい。


とにかく古新聞でも敷き詰めて灯油を吸わせようとした。
が、間の悪いことに、うず高く積み上げられていた古新聞は、月曜日の資源回収日に出したばかり。
2日分しかストックがない。
それでもとにかく古新聞を敷き、間に合わない分はやたらと貯めてあった室堂山荘やゆきしろのタオルで(ゴメンナサイ)拭き取った。


問題はコイツだ。

表にある灯油のタンクから管が引かれていて、玄関の中で灯油を入れられるようにしてある。
真冬にファンヒーターの灯油が切れる度に外で給油なんて、とてもやってられないからだ。
ポンプはモーターで動き、満タンになると自動でストップする。
が、コレが落とし穴で、スイッチを切るのを忘れていると、なんかに触れた途端再び動き出してしまう。


さて、灯油でビショビショになった新聞やタオルをどうしたもんか。
燃えるゴミに出してもいいのか?
もし、回収車の中で発火したら…(「北の国から」のドラマの中でそんなシーンがあった)。


というわけで、夜中にキャンプファイヤーをやった。
BBQで使うドラム缶を半分に切ったもの(感謝祭で焚き火をするときに使っているのと同じものがウチにも置いてある)の中で、すべて燃やしてしまった。
が、灯油をたっぷり含んだ古新聞やタオルは予想以上に燃え上がり、近所の人が心配して消防団に通報しないかとずっとビクビクしながら燃え尽きてしまうまでずっと見守っていなければならなかった。
まぁ、氷点下の夜の焚き火も、なかなかではあったけれども…。



おかげで玄関前の廊下は灯油で磨かれてピカピカになった。
が、臭くてたまらん。
このクソ寒いのに、玄関は開けっ放しにしてある。