とんだガイド!?

根子岳キャットスキーの立ち上げに当たって、ガイドに行ってきた。
朝から絶好のお天気で、キャットスキー最高所の三角点(標高2100m)まで、初めて登った。
本日は9時、11時、13時、15時の4回運行。
全回満員御礼で60名のお客様を運んだ。


コースは圧雪されているものの、両サイドのパウダーは最高の雪質。
樹氷もモンスターと呼べるほどに育っていた。

朝イチで登ったときは、お客様が滑り降りてからコース脇のパウダーを楽しんだ。


事件が起こったのは2回目の運行。
スノーキャットが下っていくのを見送り、安全に関する諸注意をして、
みんなが「さあ、これから滑るぞ」のその矢先、一人のお客様が
「私のスキーがないんですけど…」。


キャットの荷台に1台だけ残っているのを確認せずに発車させてしまった。
トランシーバーで連絡し、モービルで持ってきてもらうことに。
4人グループのお客様はいい人達で、「これで忘れられない思い出になります」。


スキー到着後、あまりに悪いと思った私は、コースから外れて隣の沢のパウダーを
案内してあげることにした(下心いっぱいで)。


お友達のボードの女性まで連れて行ってしまったのが、大失敗。
新雪はけっこう深く、ボードではよほどスピードをつけていかないとトラバースできない。
パウダーを滑ったのはいいけれど、行きはよいよい帰りは怖い。
ボードの女性は身動きがとれず、私のストックを貸してあげたものの、
それもゲレンデ用の小さなバスケットしか付いてなかったので、やっぱり進めない。



次の運行時間は迫ってくる。
トランシーバーで呼ばれるが、自分がコース外に連れて行って時間がかかっているとは言えない。
現在位置だけ、とりあえず答えておく。
最後はボードを脱いでその上に片膝を着き、這うようにしてコースに出た。
所要時間約1時間半で、ようやく避難小屋に着いた。
ボードの女性は、脚はパンパン、心臓はバクバクだった。



小さな親切、大きなお世話!



それでもスキーを下ろし忘れられた男性はどこまでもいい人で、
「この最後の斜面で大回りのターンをするのでちょっと診てもらえませんか?」
普段は付けていない「なかにしスキー塾塾長」のネームプレートを付けといてよかった。