ナイスガイ

日本とオーストリアが外交関係を結んで140年になるのを記念して、
SIAがオーストリアの国家検定教師を招聘してくれた。
人のフンドシで相撲をとるのが大得意なナカニシがこれを見逃すはずはなく、
オーストリア・デモセミナー開催と相成った。


やってきたのが、エッガー・シモンという26才の若者。
国家検定を首席で通り、現在は父親の跡を継いでスキー学校の校長であり、チロル州のイグザミナーでもあるエリート教師だ。
なかなかのナイスガイである。
若い頃のトム・クルーズに似てなくもない!?
日本食もOKで、カツオのたたきもおいしそうにたいらげていた(おしぼりうどんの大根おろしの辛さにだけは閉口していたが…)。


滑りはオーソドックスでキホンに忠実だが、とても力強い。
30cm近く湿雪が積もり、荒れ放題に荒れたホワイトピークを、
「整備された斜面ではオープンスタンスで滑る」と言って、
上体を微動だにさせずに滑り降りてきた。
もっとも、なかにしスキー塾では35°以下の斜面はすべて緩斜面と呼んでいるが…。


それにしても驚いたのが、ミーティングで写真を見せてもらった国家検定の検定バーン。
不整地の検定は、立山の山崎カールのような斜面に、延々とコブが続いている。
スタート地点にたどり着くだけでも大変そうだ。
オフピステの検定は、最低1回以上岩を飛び降りなければならないそうだ。
「左右それぞれ4回転ずつを…」なんてやっている日本の検定から見ればまったくスケールが違う。

検定大ッキライのナカニシも、あんな検定ならやってみてもいいな、と思った。
八甲田や月山、立山で受けてみる人、いる?