竜宮城

ついに来てしまった旭岳最終日。
でも、旭岳はやっぱりちゃんとパウダーを用意してくれていて、
そして、晴れた。


昨日よりもさらにくっきりと、晴れた。


naoconecoとK島さんは午前中だけ滑って帰る。
その最後の一本で事件は起こった。
急斜面のツリーランを見事に滑り降りたK島さんは、昼食時に携帯が無くなっていることに気がついた。
直前の一本では、移動中に2回転倒した。
そのどちらかで落としたらしい、と言うのだ。
間の悪いことに、マナーモードになっているかも知れない、と言う。
それでも一応と思い、私とnaoconeco、N島さん、赤オニさんの4人で捜索に出かけた。
K島さんが1回目に転んだ場所は、かなり正確に覚えている。
そこでnaoconecoが電話をかけてみた。
「ブー、ブー」とかすかにバイブの音が聞こえるような気がする。


写真は、転倒したナカニシをN島さんが気遣ってるのではない。
雪の中に埋もれた携帯電話捜索中。


寝そべって雪面に耳を近づけながら雪を掘る。
ビーコン捜索よりはるかに難しい。
バイブの音が少しずつ大きくなっていくような気がする。
そしてついに、発見!!

40cmもの雪に埋もれていた呼び出し音の鳴らない携帯を奇跡的に発見した。


昼食後は、私とN島さん、赤オニさんの3人でパウダーとの別れを惜しむように、2本滑った。
初めはツリーラン。
ここはいつでも雪質最高だ。
N島さんの楽しそうなこと。



赤オニさんは、雪の衣を纏って、



そして、雪の中に消えていった。



最後の1本は、最高の1本にしたかった
下で待っている他の人には悪いけど、20分ほどハイクして昨日の斜面へ。
昨日もよかったけど、今日はその隣のもっと急な方を滑ってみる。
完全にノートラックだった。



斜面上部には3人のシュプールだけ。




旭岳はスキーヤーの竜宮城だった。
鯛や平目に代わってパウダーが舞い踊る。
赤オニさんも舞い踊る。
ついでにおいちゃんまで舞い踊る。
そして、お土産にもらった玉手箱を開いてみたら…。
それは、怖くてとてもできない。