一昨年の秋、黒姫山の登山道でブナハリタケというキノコを教わった。
ブナの倒木の下に群生して生えている白いキノコだ。
キノコらしい、とてもいい香りがまわり中に漂っていた。
4月に月山へ行ったとき、ゆきしろの夕食にブナハリタケが出ていた。
それはもちろん、昨年獲って冷凍しておいたものだったが、女将さんが秋に来ればブナハリタケご飯を食べさせてくれると言ったので、さっそく企画にしてみた。
もっとも、当の女将さんは「雪のない時期にホントに来るの?」と心配していたが。
日曜日には月山に登るとして、問題は今日なにをするか、だ。
近くのネイチャーセンターで、自然観察のガイドをしてくれるというので行ってみた。
ちょうど1時半から約2時間のツアーだ。
参加者は私たち7人だけだった。
ネイチャーセンター付近は、釣りや植物の採取を禁止している。
横の小川には尺イワナが悠々と泳いでいた。
遊歩道の切り株には天然のナメコやその他のキノコが生えていた。
ブナ林の黄葉を期待していたのだが、それはすでに終わって落葉していた。
が、それはそれでいい雰囲気だった。
ガイドの人はいろんな事を教えてくれた。
この付近が世界でも希有な豪雪地帯であること。
ブナは、まず上に伸びてから太くなっていくこと。
それは、杉の間伐のようなことを自分で行うためであるということ。
つまり、優勢なものだけが陽の光を浴びて光合成を盛んに行い、出遅れたものは枯れていく。
ブナ林が完成されてくると、樹間が広がり大木だけが残る。
本日の結論。
「完成されたブナ林は山スキーに最適」。
夕食はもちろんキノコづくしだった。
鍋、天ぷら、酢の物…その上、女将さんは私の大好きな麦切りまで取っておいてくれた。
山形名物の芋煮も、アケビの皮の料理も出た。
ブナハリタケご飯は3杯おかわりした。
もちろん、動けなくなった。
喰うのに夢中になって写真を取り忘れた。
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