けなげ!?

jukuchou2007-01-07

昨日に引き続き雪。
と言っても、この日の雪は、冬型気圧配置で菅平らしい乾燥粉雪だ。
2日続きの大雪で、今まで滑れなかった斜面も滑れそうだ(正式にオープンはしてないが…)。
が、人工降雪で下地を作ってあるバーンとは違い、石を踏んでスキーを傷つける心配がないとは言えない。
生徒さんの中には今回おろしたてのスキーを履いている人が3人もいた。


パウダーを滑りたくてしょうがないjukuchouは、
「これだけ降れば大丈夫だよ(おそらく…、たぶん…、ならいいなぁ…)」
「新しい板だって、いつか傷つくんだから」
「オレも新しいスキーに履き替えてきて、痛みを共有するッていうのはどう?」
と、様々に粉をかけてみる(パウダーだけに)。


そんなとき、H川さんが一言。
「私、傷がついてもいいの。でも、その前に一度だけ、ちゃんと整備されたバーンで気持ちいいターンをしてみたい」
私は、このけなげな一言に心打たれた。
政略結婚で好きでもない相手に嫁がされていく前に、せめて一度だけ、密かに思いを通じていた人と結ばれたい…、そんな風に聞こえた。


私は整備されていない斜面に踏み込むことを思いとどまった(とりあえず午前中は…)。
が、午後になっても雪は止む様子もない。
ついに(と言うほど、紆余曲折はほとんどなかったが…)私達は、禁断のチャレンジ上部斜面に飛び込んだ。
そこは、まさにオーバーヘッド級の深雪だった。
堰を切ったように、ホワイトピーク、アルペン、そしてまたホワイトピークへと。


写真は、愛なき結婚の果ての、元深窓のご令嬢。


そう言えば、彼女の名前は、時代と運命に翻弄されたあのガラシャ夫人と同じだった。


「ちりぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」