専門用語のワナ

雪不足で滑れるスキー場が少ないのに加え、ここ菅平でもコースが限られるため、週末は芋の子を洗うような状態だった。
思い切って滑れるのは9時過ぎ頃までの30分あまりだ。
が、ホームゲレンデで滑れるだけマシ、文句を言っちゃバチが当たる。


今日のレッスンの中で、フォールライン前から外スキーを押す練習をした。
動作を説明するとすぐ「ベンディング動作ですか」と言った生徒さんがいた。
これは危険である。
動きを自分でやってみる前に、知識として持っている言葉からイメージしてしまっている。
確かに、結果としてはフォールライン前は脚を伸ばしながら押すし、
フォールラインを過ぎた後はスキーが身体に近づいてくるので脚は曲げられる。
が、「ベンディング」という言葉の先入観にとらわれて動くと、
ターンの切り換えで妙に脚を抱え込んだり、次の瞬間にはやたらと外に脚を伸ばしてしまうだろう。
大事なことはスキーに力を加えることだ。
フォールライン前には、脚を曲げながら力を加えることは難しいから、
脚を伸ばそうとしながら押し返すような動きになる。
他人が見てそこで脚が伸びてようが伸びていまいが、自分がスキーを押そうとしていることが大切なのだ。


専門用語でスキー(の動き)を考えることはやめよう。
自分がどのようにしようとしたら、結果はどうなったか、
そのデータを積み重ねよう。


私は滑りながら脚を曲げたり伸ばしたりの動作はするけれど、
ベンディングやストレッチングなどと意識して滑っているワケではない。
いい感じで滑れているときには、脚の曲げ伸ばしさえ自動化されている。


難解な専門用語に惑わされるぐらいなら、
ナカニシの口車にでも乗っていた方がよっぽどマシな気がするのだが…。